白岩吉明オフィシャルサイト、山岳写真ネットギャラリー、「内陸アジアの貌・フンザ物語・横断山脈・ウイグルの瞳」「エヴェレスト街道」「チベットのヒマラヤ」「ランタン谷」「黙示録」「

 

 
 
 
 
 

  フンザ物語:2

上図の2点の建物はバルティット城。城の頭上はウルタル峰です。城はファンザ村全域を一望する位置にあります。城は800年以上の歴史を持ち、此の地の藩主の居城として使われてました。今は歴史博物館に姿を変え、村人の憩いの場となってます。下図の3点は、ラマダン明けを祝う晴れ姿で、この日はラマダン明けで、誰もが民族色豊かに着飾り、三々五々城に繰り出てました。

 

上絵柄2点の画面の川筋の建築物はアルチット城で、城の左はインダス川です。川の対岸には過ってのシルクロード古道が走り、今はカラコルム・ハイウェイに姿を変えています。昔、ここはシルクロード古道の要衝で、城は中国からインドへの内陸交易路を仕切ってました。今は、道は中国の資金でカラコルム・ハイウェイに変身し、中国のウィグル自治区のカシュガルからパキスタンのギルギット迄を繋ぐ自動車道になりました。ギルギットの南1500Kmはインド洋のペルシャ湾で、海に通じる道路と成ってます。この道には中国の戦略的意図が匂います。平穏に見えるこの地の背後には中国軍・タリバン軍・CIA(米情報機関)・パキスタン軍・インド軍や諸軍閥の軍事力がせめぎ合ってます。絵柄手前の奥75Kmはタリバン政権が支配するアフガニスタンとの国境で、2022年7月のアメリカのアフガニスタン撤退以後この地も治安の悪化が心配されています。下図の4点は、ラマダン明けを祝う若者が集うアルチット城下です。

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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