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          黙示録


ここ迄の6話は、内陸アジアの人々が自然と共生し今を生きる姿を描きました、其処にはビルも工場も無く有るのは、土地・水・太陽に恵まれた豊かな自然環境です。之に対照的な現代文明社会は、都市に象徴されますが、都市は鉄と銅・電気・コンクリートのメンテナンスで生きてます。メンテナンスが切れた時は、現代都市は廃墟化します。都市がコンクリートの肉体と電気エネルギーで生きる姿を以下に掲載しました。

 

下図のように人類は産業革命以後、石炭・石油のエネルギー利用で社会を大きく変え、20世紀以降エネルギーの電化利用が進み、社会の変革を更に加速化させました。

            人類とエネルギーのかかわり

                  出典:人類とエネルギーの関わり - Bing images

 

          文明の推移・3000年史/Ⅰ

       出典:文明の歴史 年表 - Bing imageswww.bing.com/images/search

上図は文明の推移の概念図で、下図は其の詳細図です。人類が余多の文明を生み、数百年で次の文明に入れ替わる様子を一覧にしたもので、図では、文明史の最終段階が現代文明に成っていますが、此れも入れ替わる運命に有り、後100~200年で衰退・消滅が予測されてます。其の詳細は、此処の「文明史」以後に見て行きます。現代文明は産業革命(イギリスに始まる機械制工場と蒸気力の利用を中心とした技術革新とそれに伴う社会の変化を指します)以後の時代で、此の時代は、地下資源によるエネルギーで、生産を機械化し、大量生産を可能とし資本主義社会を産み発展させます。資本の市場拡大には中世以来の封建制社会(神聖ローマ帝国)の解体が必要で、解体に伴う戦乱の時代以後に、資本主義社会の本格的発展が始まります。資本主義の最終段階を「帝国主義」と誰かが命名しましたが、19世紀末~20世紀以後は正に其の時代かと思います。

 

           文明の推移・3000年史/Ⅱ

             出典:文明の歴史 年表 - Bing imageswww.bing.com/images/search

 

下図は前述の「資本主義の市場拡大には中世以来の封建制社会(神聖ローマ帝国)の解体が必要で」の部分を絵にしたものです。資本主義社会は、最新鋭の兵器で「神聖ローマ帝国オスマン帝国解体にとりかかり、第1次世界大戦へとなだれ込みます。下図は此の端緒の時期の「神聖ローマ帝国=ハクスブルグ家の領土」「第1次世界大戦直前(1914年)の国境図」を描いたものです。第1次世界大戦以後、第二次世界大戦、東西冷戦、局地戦,資源争奪戦へと、戦争の時代が資本主義(現代文明)の影として付まといます。

                                        出典:第1次世界大戦直前地図 - Bing images

 

 

       近代文明は資源・市場・領土争奪で幕開けする

                            植民地図

                                           出典:植民地支配 - Bing images

 

 

                             帝国主義と植民地    (日本大百科全書より引用)
1870年代から第一次世界大戦に至る時期は「帝国主義」の時代とよばれる。この間にヨーロッパの強国は競って海外領土の獲得に乗り出し、遅れて日本、アメリカ合衆国もこの競争に加わった。とくに「暗黒大陸」とよばれ、無主地とみられたアフリカは、その奥地の事情が知られるにつれて、好個の領土的分割の対象とされた。20世紀初めにはアフリカはほとんどヨーロッパ諸国の領有するところとなった。ここに設定された人為的な国境は、今日のアフリカにおいて深刻な問題を引き起こしている。アジア諸国は列強の植民地となるか、名目は独立国であっても内実は経済的に半植民地化された。わずかに外国資本の直接投資のなかった日本だけが植民地化を免れた。

 

  世界人口の71%が「独裁に分類される国に住む」と言う衝撃

    赤点線内は上記の「植民地」と「現・旧・社会主義国」にほぼ相当

   出典:世界人口の71%が「独裁に分類される国に住む」という衝撃(西岡省二) - 個人 - Yahoo!ニュース

上図2点を観察すると「自由民主主義国」は特殊な条件下で存在する制度なのかもしれません。其れは紀元前800年:ギリシャ時代の都市国家「ポリス」に似ています。ポリスは土地所有の市民団が軍事力を担い、奴隷制や植民地を維持し、直接に国家機構を運営し、現在の民主主義の原型の様な政治形態を持ち、特権階級の為の「自由民主主義国」でした。 

 

                   出典燃料消費の歴史 - Bing images

私たちの生活や産業を支えている資源は、地球上に限られた量しか存在しない「枯渇性」の資源と、太陽エネルギーにより繰り返し生産できる「再生可能」な資源に分けることが出来ます。現代の豊かな社会の礎となっている化石燃料や金属・鉱物は、代表的な枯渇性資源で、枯渇は目前に迫っています。また「金属資源」が無くては「再生可能」な資源の生産はは不可能です。

 

                      出典:枯渇する資源・原油生産の将来予測 - Bing images

                  現代文明にとって必要不可欠な金属資源枯渇問題

ネルギー資源より先に金属資源が枯渇します。エネルギーは太陽光等の再生可能エネルギーへの代替えが可能ですが、金属は人間には造れず、金属が無くては発電・送電・蓄電は出来ず、モーター・エンジン・電子部品も出来ず、船舶・自動車・鉄路・航空機も出来ず、ビル・工場・道路・橋・港湾も維持できず、金属の枯渇は現代文明の終焉を意味します。現代文明は大量な地下資源の消費に依存して成り立ってます。地下資源の枯渇はこの文明の終わりを意味します。

             

       2050年には現有埋蔵量の数倍の金属資源が必要になる!

                                                                     国立研究開発法人  物質・材料研究機構

金・銀・銅・鉛・亜鉛などは、現埋蔵量の数倍の使用量が予想される2050年までの累積で現有埋量
の数倍の使用量が予想される金属は、銅、鉛、亜鉛、金、銀、錫、ニッケル、マンガン、アンチモン、リチウム、インジウム、ガリウムで、このうち銅、鉛、亜鉛、錫、金は経済成長がある段階に達すると一人当たりGDPの増加に対して減少する傾向が現れますが、それでもBRICs諸国の使用量の増大で、現有埋蔵量を突破してしまうと予想されています。また、銅、鉛、亜鉛、金、銀、錫、ニッケル、アンチモン、インジウムは、「埋蔵量ベース」と呼ばれる“技術的には採掘可能だが経済的理由などで採掘対象とされていない資源の量”までも超過してしまう見込みです。

                        出典:金属資源の埋蔵量 - Bing images

                        出典:銅の需要と生産量の推移 - Bing images

             木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリス

 世界が目指す「脱炭素」。その先に来る「電気エネルギー社会」は、温室効果ガスを減らす半面、多種類の金属を大量消費する社会でもある。クリーンな太陽光発電は、石油・石炭発電に比べて銅や銀、スズ、アルミニウムを数倍も使う。急速に普及する電気自動車(EV)は銅、リチウム・コバルトなどのレアメタルを要求する。問題は、これら金属資源の供給が将来にわたって持続するかどうかだ。地球の化石燃料の埋蔵量に限界(プラネタリー・バウンダリー)があるように、金属資源にも限界がある。銅の需要は2020年以降に急増、生産量とのギャップ広がる「電気エネルギー社会」の土台となる金属は銅である。銅は電気をよく通し加工しやすい。下の棒グラフは、銅のこれまでの需要(青)と、その将来予測(橙色)、折れ線グラフは生産量の推を示している。銅の需要は1950年代から
少しずつ増えてきたが、2020年を境に急激に増えると予想されている。経済はデジタル化し、工場ではロボット化が進み、街中ではEVやハイブリッド車が増えていく。電子化した車は、車内にりめぐらす銅線(ワイヤーハーネス)が格段に多い。駆動するモーターは、磁力を生み出すために銅線を巻く。電子基板のパターンもほとんど銅で作られる。

 

 

出典:https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2018/03/report_cu_business201803.pdf

                                                         銅の可採掘年数≒30年

下図は「銅の生産コスト上昇」を示すデータで、2080年には16倍にもなります(リサイクルしながら使う)。電子化社会では、あらゆる分野で「銅」が使われ、生産コスト上昇は莫大な金額に成ると予測されます。

 

 黙示録 まとめ

 

上記は現代文明誕生の推移と現代文明をささえる主要な地下資源 埋蔵量&消費予測です。図が示すデータは、地下資源は遠からず地球上から消えると言う事です。近年急速に進んだ電化・電子化社会も、之を維持する資源の欠乏で縮小・退化が予測されます。其れは運輸(タンカー・航空機・列車・自動車)、インフラ(港湾・道路・ダム・ビル)、電力 (発電所・送電網)、家電・教育・医療・流通等々・数限りない分野での退化をも意味し、現代社会は様変わりが予測されます。そもそも現代社会は18世紀後半からイギリスから始まった技術革新による産業構造の変化から始まります、変化は大量生産と資本の蓄積、軍事力の強化です。軍事力は先に見ました様に「神聖ローマ帝国」「オスマン帝国」を解体し、「植民地」を生産します。植民地からの豊富な資源はエネルギー革 命を呼びます、同時に更なるエネルギー資源争奪の戦争も呼びました。幾多の争奪戦争の結果が、現代社会です。が此処に来て、肝心な「金属・油・ス」が消費し尽され地球上から地下資源が消える日程が明らかになりました。地下資源の極小化は資源の価格上昇をよび、資本主義社会の特徴である「大量生産」による「安価な商品の市場投入」が不可能になります。大量生産が出来なければ資本主義は終わります。

 

 

 

 

   黙示録・付録「古事記」

 

           日本では1867年に、明治維新と言う名のブルジョア革命

           (資本主義革命)決行され、以後、日本の工業化・大量生

           産&軍需産業の発展と、イギリス武器市場化が加速しま

           した。結果、以下に見る様な侵略戦争の時代が77も続き

           ました。今年・2022年は、日本の77年戦争史が終了後の77年目です。

 

    

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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