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エヴェレスト街道:5  ゴラクシェブ~ロブチェ

  

 

エヴェレスト街道:5   ヌプツェ 2景  (Nuptse 7856m)

 

 

 

エヴェレスト街道:5   頭上を流れるクーンブ氷河

 

   エヴェレスト街道の深部は、エヴェレストからの氷河(クーンブ氷河)に沿って歩く。下図2点は氷河の様子で、上図では氷河は谷をえぐっているが、此の2Km程下流の下図になると、氷河は空間に浮き出て、登山道の上を流れている。

  

上図は頭上を流れるクーンブ氷河:下部の人物で頭上の氷河のスケールがわかる

  ロブチェの辺りでは、クーンブ氷河の流れは登山道の上となっている、その様子を上・中・下3図で描いた。上図は中図の上流になる、中図の右奥がロブチェだ。中図の左下に写る人物と比較すると、頭上を流れるクーンブ氷河高さの見当が付くものと思う。下図は衛星画像でこの状況を確認したもので、ロブチェのロッジエリアがクーンブ氷河の下に有る事が見て取れる。

 

 

エヴェレスト街道:5   ロブチェ・ロッジエリア   

 

  ロブチェのロッジエリアは水が豊富な地だ。ここは雪山と2本の氷河に囲まれた盆地で、その様子を衛星画像から描いて見たのが下図のロブチェ周辺図だ。頭上に水瓶を抱える居住地は、極めて危険に思える。大地震では氷河の崩壊雪崩や山体崩壊が氷河を崩壊させる事も考えられる、ここは危険を背負う楽園だ

 

 

 

エヴェレスト街道:5   ロブチェ・ロッジエリアの風景    

  上図はロブチェのロッジエリア。水が豊富で広々とし、開放感に溢れ、眺望の良い場所だ。山は左より、カンテガ山群、タムセルク、タウェツェが並ぶ。ロッジの奥にはテントが整然と並ぶのが見える。下は朝の出発前、ロッジ前に荷物が並ぶ。ロッジは石積みを漆喰で固めた建物で、風雪には強いが地震には弱い、2015年4月25日の大地震で、此の地の建物も大分被害を受けた。今となれば、絵柄は時代の証言者だ。

  下図はロブチェのロッジエリアにプールされている山岳馬、下界からはるばる運ばれた干し草を美味しそうに食べている、他にトウモロコシも食べ、馬小屋も有り、御馬様は特別待遇だ。山岳馬は浮き石の多い岩場の山岳路を、人を背に乗せ登る様に訓練された特殊馬だ、性格は温和で馬子の指示に忠実だ、と言うより馬子以外の指示には従わない、其れは背に乗せた素人のタズナ裁きは無視する様に、訓練されている事を意味する。下図右はカラス、人と共生している。ここは標高5000m近いが新鮮な湧水が豊富で、生命のオアシスとなっている。

        ヌプツェ Nuputse7865m

 

 

 

エヴェレスト街道:5  ロブチェ~ゴラクシェブ間の峠より展望

 

 

 

 

エヴェレスト街道:5   ロブチェ~ゴラクシェブ間の峠よりパノラマ展望

   ロブチェ~ゴラクシェブ間の峠からの展望図を、南面図と北面図で作った。画像は何れも6x4,5版を4画面配置し作成したパノラマ図だ。峠は荷揚げの難所で、シェルパの若者でも顎を出す。峠の展望は素晴らしく、此の地の名峰13座を一望できる。上画面の南から東の山裾にはクーンブ氷河がはしる、氷河は登山路の上を奔るのが此の地の特徴だ。下画面には荒涼としたモレーン台地が広がる、過っては、此処も氷河の底であったものと思う。氷河は今は白銀の山裾に奔るだけだ。広大な空間に幾千万年のヒマラヤ造山史が透けて見える、夢の様な空間だ。

 

    

                      タウェツェ Tawetse 6501m                              チョウラッエ Cholatse 6440m

 

 

 

 

エヴェレスト街道:5   ポーターの活躍振り12景

 

   ヒマラヤ観光はポータの労力に支えられている。エベレスト山域でのトレッキング観光の為の現地雇用者数は2011年では大凡2万6千人と言われる 「エヴェレストを巡るネパール観光の現状と課題(カルカ・クリシュナ・バハドゥル氏)」(click) に詳しく報告されている、報告書の量はA4版10ページに及ぶ、おひまな方は一読を。観光産業は現在のネパール経済の第一資源であり、ヒマラヤ観光での外貨獲量はネパール国のGDP比3~4%相当との事。

 

 

                     ヌプッエ(Nuptse 7856m)

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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