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エヴェレスト街道:4  ゴラクシェブ~ロブチェ

 

 

エヴェレスト街道:4   ロブチェより望むヌプツェ(Nuputse 7855m)

 

 

 

エヴェレスト街道:4   デブリ(岩屑)に埋まるクーンブ氷河上部
 

 

  

 

エヴェレスト街道:4   ゴラクシェブからの眺め・北東面
     

   上図2点はゴラクシェブの景観図で、上図はこの地域のパノラマ図を、6x4.5版を4画面配置で描いたものだ。下図はゴラクシェブのロッジエリア入口付近で、大量の荷を背にロッジに向かうヤクと、下山者がすれ違う一瞬の絵だ。この様にゴラクシェブは終日にぎわう。エヴェレスト街道で建築物が有るのは此処が最後となる。 

 

 

エヴェレスト街道:4   ゴラクシェブのデブリ帯
             タウツェ          チョラッェ                          ロブジェ

エヴェレスト街道:4   クーンブ氷河深部からのパノラマ図

   上図2点はクーンブ氷河深部の図で、上はゴラクシェブの南側の景観。下図はゴラクシェブの北側・東側・南側をパノラマ図で描いたもので、6x4.5版を8画面配置で作った。画面の中央を奔るのはモレーンに埋もれたクーンブ氷河だ。画面にはエヴェレスト街道の名峰が14座並ぶ。此の景観はエヴェレストから発するクーンブ氷河が、周囲の山々の裾を広く深く抉り形成したもので、氷河のエネルギーを体感するには格好の場だ。因みに氷河上の標高は5000mを超えている。氷河に付いての詳しい解説は 「アジアの氷河・氷河湖と温暖化(名古屋大学・藤田耕史氏)」(click) に詳しく解説されている。

 

 

 

エヴェレスト街道:4   荷揚げ隊の活躍・人もヤクも凄い量の荷物だ

 

   上図6点はロブチェ~ゴラクシェブルートでの荷物運搬の様子だ。此の地は標高が高く最早地衣類と地を這う草しない、荷揚げに働くヤクは之を食料とする。ヤクは暇さえ有れば地に鼻を付け、地を這う草をセッセと食べ糞をする。草は栄養分が少ない様で、大部分が糞と成り大量に出る。その糞は、乾燥させて燃料に使う貴重品だ。貴重品の糞は拾われ道は綺麗だ。下図はその糞だ、山小屋の脇にうずたかく積まれていた。「草原・山岳の船 ヤク」 (click) はヤクの特徴を簡潔に解説している。 

エヴェレスト街道:4   ヤクの糞・乾燥させ燃料として使う

 

 

 

エヴェレスト街道:4   エヴェレスト街道深部の概略図 

    エヴェレスト街道深部の広域概念図を作った、高度25Kmから俯瞰したのに相当する図だ。画は衛星画像から拾い、之を立体化したものだ。上が北、下が南、右が東、左が西。東西及び南北は25Kmで、さほど広くは無い。この中に数多くの名峰及び8000m峰が犇めく、更に此の地には、クーンブ氷河、ローツェ氷河、ヌプツェ氷河、アマダブラム氷河、イムジャ氷河を初めとした大氷河が奔る、氷河に付いては別の章で図解する。図中には、ロッジエリアと主要な山座を記入した。図上部の黄色線は国境線で、ヒマラヤ山脈の主稜線が国境線となって居る。此の地の名峰の多くが此の主稜線上に並ぶ。線の北側(上)はチベット(中国領)、南側(下)はネパール領だが、国境線には関係無く此の地の民はチベット民族であり、文化もチベット文化だ。チベット文化に付いては 「ようこそ、雪域聖地チベット(山岳写真家:烏里烏沙氏)」 (click) に詳しく紹介されている。

 

 

エヴェレスト街道:4   峠のパノラマ:ロブチェ~ゴラクシェブ間の峠 

    上下2点はロブチェ~ゴラクシェブ間の峠からの眺望だ。上図は峠の南面、下のパノラマ図は東~北面だ。下図のパノラマ図は6x4.5版を4画面配置で作った、図の右は東、正面は北になる。眼下にはモレーン(氷河後退で出来た圏谷)台地が広がる。180°の視界にはエヴェレスト街道最深部の7座が列をなすが、エヴェレストだけが見えず残念だ。エヴェレストはカラパタールの丘に辿り着くまでは見えない。タルチョが風に泳ぐ上図正面の岩壁は、タウェツェ(Towetse 6501m)の北壁だ、峠には大きな石塔が鎮座する、石塔はチベット語でチョルテン(mchod rten)と呼ぶ、意味する処は仏塔だが、石塔にはアニミズムの雰囲気が漂う。風にはためく五色の旗(タルチョ)が、石塔の無機質に生命感を与え、峠に到る人の心を温める。

 

 

エヴェレスト街道:4   タウェチェ北壁を背に荷揚げ隊が行く

 

    タウェツェ(Towetse 6501m)北壁正面の峠。下右はきつい登りを終え峠で一休止する荷揚げ隊。晩秋の冷風が心地良い。之に反し荒れた日の気象は猛猛しく、視界は悪く危険だ。気象の急変は侭有る事だ。雨量により道が水路となるのも此の地だ。山岳では水が一番怖い。乾いた台地は何よりの恵みだ。

 

 

エヴェレスト街道:4  ヌプツェ2景 

 

                      ヌプツェ(Nuputse 7855m)上図:ロブチェより 下図:ゴラクシェブより
 

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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