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チベットのヒマラヤ:18

 チベットの魅力は空間にある。天地一体の空間は成層圏に一歩近く、異界を思わせる。

 

 

 原野に遊牧のテントが一つ、脇には鉄の馬が寄り添う、絵になる。羊が走るだけで絵になる。此処ではどれもが絵になる。

 

 

 上図は羊の皮の取引現場の様だ。絵柄中央部の山裾には沢山の羊が放牧されている、彼等もいずれ皮にされるのか。羊は乳も肉も皮も総てが人間の命を繋ぐ糧となる。農業の無いチベット高地では、羊が畑の役割を担う。

 

 

 上図はシシャパンマBCが西日を浴び、佇む姿。太陽はカンペンチン(7281m)の頭上だ。下図はBCから撮影のカンペンチン峰、迫力の顔貌だ、BCの正面に鎮座し、万華鏡の様に姿を変える。

 

 

 上図はシシャパンマ(8013m)。夕日を浴び、枯れた苔が台地を赤く染める、草紅葉は此の地では苔が担う、チベットらしい光景だ。シシャパンマはチベット領内に全域位置する唯一の8000m峰だ。下図はラクバ・ラ峠(5250m)、この日は朝から乾いた小雪が横殴りに吹き付け、周囲を白く染め上げていた。

 

 

 チベットでは国道添いの遺構や廃墟が風景に溶け込み、タイムスリップ誘う。上図では光ファイバーの電柱までが風景に溶け込んでいる。天が地に溶け込み、時間も融け込み、生きた曼荼羅画界が此処にある。

 

 

 上図:チベットでは地溝の造形に見惚れる事間々だ、ペクツォ湖の西側。中図&下図:いずれもペクツォ湖の東側、高層湿原の風貌、命の源泉だ、標高は4600m。

 

 下図7点は高層湿原に咲く花々だ。厳しい自然環境の中、限られた地面に仲間達とコロニーを作り、共生している。

 

 

 人も花々と同じように、限られた地面に仲間達とコロニーを作り、共生している。

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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