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チベットのヒマラヤ:17

 

 チベットの魅力の第一は空間だ、太古のままの空間に心は時空を超える、純粋な大気に肉体を忘れる。チベット密教の修行僧ミラレパも空間を歌う 「山の頂きには大きな岩があり/鳥の王者、禿鷹が旋回する/かれらの出会いと別れが/時の推移を刻む/岩よごきげんよう/禿鷹のわたしは気晴らしに/今広大な天空へ飛び去る・・・」 おおえ まさのり訳チベット密教の至宝・ミラレパの十万歌・p856より抜粋/いちえんそう刊。

 

 広大なチベット高原を羊を追い青年が歩いていた、絵になる。広大なチベット高原に遊牧民のテントが一つ、テントの前には子供が1人此方を向いていた、絵になる。チベットでは日常が絵になる。

 

 汽修は自動車修理の意味だろう、中国では自動車を汽車と言う、数件の集落に救世主が居た。下図は国道219号の新蔵公路が氾濫原に飲み込まれ、水没して居る姿。車は光ファイバーの電柱列を頼りに方角をとる。光ファイバー線は、電力は送らないので街灯の点灯は無い、勿論之は軍用の情報通信用だ。

 

 お洒落が景色に似合う、個性豊かな景色は如何なるお洒落も受け入れる。画一の都市文化とは真逆だ。

 

 国道219号の新蔵公路沿いに休憩所が点在する。間隔は数キロであったり数十キロあったりマチマチだが、砂漠のオアシスの様に救世主的存在だ。テントの中では暖が取れ、食事もとれる。下図は現地に人がツァンパを指でコネて食べているところ。ツァンパはチベット族の国民食で、裸麦を脱穀・乾煎りしてから粉にし、保存食としている。食べる時はバター茶を加え、コネて食べる。下図の右下の魔法瓶にはバター茶が入っている。

 

 雨季のチベット高原は緑豊かだ、草原に浮かぶ丘稜はいずれも標高6000m前後だが、草原に溶け込み姿は穏やかだ。

 

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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