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チベットのヒマラヤ:7

 

 

 

 

 

 上の3点は標高5000mのザ・ラ(峠)の風景。シシャパンマBCの北西80km、ぺク・ツ゚オ(湖)の北西50kmの位置だ。チベットの相貌の一つを象徴する深い神秘を抱えた此の風景は哲学的だ。植物も太古を思わせる原始的な相貌だ。物陰に恐竜が寝ていても不思議ではない。此の地にも人は暮らす、此の地の人々は自然と共生しているゆえに、自然を傷付ける事はしない。ゆえに幾百千年の自然が無傷で今に生きている。食料生産の主は放牧で、農業は無い、永久凍土上の地には農業は不可能だ、農業が無い事が此の地が太古のままに今も生きている由縁だ。人類の自然破壊は農業から始まり工業に進化した。ここには幸い農業も工業も無い。

 

 上記3点の絵柄の地からペクツォ湖に向かう回廊の風景が下図だ。谷の壁に激しい浸食が見られる、雨が降ると激流が奔るのだろう、赤い岩肌に威圧感が漂い鬼神の通り道の様だ。地を這う植物に生命の強靭を覚える。

 

 

 

 

 最上部3点のザ・ラ(峠)絵柄の北10km余にヤルン・ツァンポ(河)が奔る、この河の北に国道219線(新蔵公路)が走る、国道の東西に広がる風景が下図6点だ。此の辺りには穏やかな姿の山が無限に連なる。初夏は緑が豊かだ。夏でも朝は冠雪している。ヤルン・ツァンポ(河)は世界で最も標高が高い河川で、全長は2900Km、下流でプラマプトラ河と呼び名を変えやがてガンジス河に合流する。この川は地球の生き証人だ。プレート活動で、インド大陸がアジア大陸に潜り込む境界で出来た断層帯がヤルン・ツァンポ(河)だ。地球の億年の歴史が河に姿を変え、此処に生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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