白岩吉明オフィシャルサイト、山岳写真ネットギャラリー、「内陸アジアの貌・フンザ物語・横断山脈・ウイグルの瞳」「エヴェレスト街道」「チベットのヒマラヤ」「ランタン谷」「黙示録」「

 

 
 
 
 
 

ランタン谷:4

 

 

              

 ランタン村は石の村でもある、端正に積まれた石組は、自然界に人間の存在を主張するかのようだ。此の地を襲った地震は岩雪崩をおこし、総てを飲み込んだ。土石流に飲まれた人工的な石は幾百年後かに現世に現れ人々に不思議を見せるだろう。下の建物はチベット仏教の経文を収めた円筒形の筒(マニ車)の収納小屋で、マニ車を水流で回す小屋だ。マニ車を回すと読経した事に成る。云わば自動読経装置小屋だ。小屋の端に見える 黄色・緑・赤・白・青の旗は「黄:金剛」「緑:忍辱」「赤:精進」「白:清浄」「青:禅定」を表す。軒先の横断幕も同じだ。これ等は何れも神神との人間界からの交信信号と見た。ご婦人の方々の日常の衣装やアクセサリーは、いずれもが個性豊かで色彩に溢れている、ランタン村を飾る花々と競うが如き色彩だ。村の総てが桃源の舞台を演出している。

 

 

 

 

 

 下左は朝の撮影を終え、朝食時のスナップ。背後の4人はポーターでは無い上級スタッフ、常時身の回りでアシストをしてくれる人々だ。カメラには三脚を2台装着し安定を計っている。下はポーター氏の方々だ。

 

 

 上下の2点:Ponggen Dokpu(ポンゲン・ドクプ)5930m

        

 下図はヒマラヤ山脈の全長2400kmの内の中央部600kmの衛星画像だ。ヒマラヤ山脈は地球規模で見るとインド・プレートの北端部に成る。このプレートは年間おおよそ17~21mmの速度で、図中の上部茶色のユーラシア・プレートの下に潜り込み続け、過去のヒマラヤ山域で起きた地震は、全て此の事に起因している。2015年4月25日ネパール地震も同様であり、ここに紹介のランタン谷はこの日に壊滅的被害を受けた。此の物語をまとめながらの想いは、山岳写真とは、不安定な地球との瞬間の対峙であり、其処に光やら気象の関数が絡み、現実で有りながら、現実では無いと言う実感だ。更に一つ、下図はヒマラヤ山脈の中央部だ。此処には8ッの山域が在り、8000m峰を8座抱える。前記の様に図の全長は600Kmだ。ちなみにヒマラヤの全長は2400Kmで8000m峰は15座だ。図の茶色部分はチベット高原、ここの標高は4500m~5000mで、図中央部のぺク・ッォ湖の湖面標高は4600mだ。このチベット高原にも人々は暮らし、数多くの古来からの文化が今を生きて居る。

 

  

 山岳写真ネットギャラリーとして此処に紹介のランタン谷の物語は、過去に現実に存在した桃源郷の記録だ。記録は大量に有るが今まで之を眠らせていた。今日に至り、Net空間が、眠ていたデータを大量・広範囲に展示をしてくれる事に気付いた。そこで実現したのが此のネットギャラリーだ。

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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