白岩吉明オフィシャルサイト、山岳写真ネットギャラリー、「内陸アジアの貌・フンザ物語・横断山脈・ウイグルの瞳」「エヴェレスト街道」「チベットのヒマラヤ」「ランタン谷」「黙示録」「

 

 
 
 
 
 

ランタン谷:10

 上: Naya Kanga (ナヤカンガ) 6562m  ランタン村の正面を飾る此の山は「菩薩」の姿を思わせる。

 

 下: Langtang Lirung (ランタン・リルン) 7245m ランタン村の背後にはランタン・リルンが「大日如来」の如く鎮座。

 

 

 

 

 

 

  ランタン村の景観には、暮らしに密着するマニ石(経文を刻んだ石や石板)、マニコロ(マニ車、中に経文が入った円筒状の仏具)、ルンタン(五色の旗)、タルシン(経文書いた祈願のぼり)、メンダン(マニ石の長い列)、チョルテン(仏塔)が欠かせない。これ等は此の地の人々が熱心なチベット仏教徒であることをあらわしている。土着信仰のボン教の人々も同じだ。此の地の人は石を生活のあらゆる場面で活用し、石に生かされている。石に根を張り石に生かされている石楠花の様に、人も命を石に支えられている。其れは山に対しても同じだ、山のご機嫌一つで命運が決まる。仏像や聖人像は此の地では見られない、山が聖人だ。都市仏教のラサやシガッエの寺院には仏像が有り、職業僧侶が居る、同じチベット仏教でも此の地とは少々異う。此の地のチベット仏教は、根幹が自然崇拝であり、シャーマニズムに近いものを感じる。天地自然を崇める感性が此の地では生活様式の隅々に滲み出ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ganchenpo(ガンチェンポ)6387m

  チベットとランタン・ヒマールの位置関係図

 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負ってません。この問題は最終章「黙示録」で考察してます。内陸アジアには持続可能な社会の雛型が有史前から連綿と続いています。
 

 
 
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