白岩吉明オフィシャルサイト、山岳写真ネットギャラリー、「内陸アジアの貌・フンザ物語・横断山脈・ウイグルの瞳」「エヴェレスト街道」「チベットのヒマラヤ」「ランタン谷」「黙示録」「

 

 
 
 
 
 

 

白岩吉明オフィシャルサイト

横断山脈:9

氷河湖の村:ラコ

 

拉古(ラコ)村は「圏谷の村」だ。西にはラコ氷河、南にはアタ氷河、東にはレンロンバ氷河と村は三方を氷河に囲まれている。ラコ氷河はカンリガルポ山群最大の氷河で、氷河は最奥のGemsonru峰(6450m)(から発し、20km走り、村の手前に達している。アタ氷河はRuon峰(6805m)を始めとした6000m峰群から発し、村の南頭上にあり、凍結湖も村のすぐ上に有る。レンロンバ氷河はGhen(6177m)峰から四方に氷河を走らせ、その一つが村の後背地に迫り、氷河舌はlkm程の近さにある。保護区なのだろうか、拉古村えの入域は手前数キロで車両が遮断され、山道を歩く事になる。道は崩壊石からなる単調なモレーン台地をしばらく登る、やがて視界は開け氷河湖群のある圏谷台地に出る、上画像がその辺りだ、ここで初めてカンリガルポ山群東部の前衛が視界に入る。ここに至る手前には上図の様な急流がある。急流は上段の氷河湖群と下段の然烏(ラウ)湖のある平原部間の落差を繋ぐ流れだ。この流れは開けた然烏湖東端部へ注ぎ込まれる、正面が北だ。図は乾季のものだが雨季はこの一帯は水没する。西側のモレーン台地の奥には山頂のプラトーが特徴的なTsosh峰(5298m)(の岩稜がそびえる。このあたり一帯は氷河の残し物の岩と石と砂に埋め尽くされ、土石流一つで新たな氷河湖が生まれる流動的な処だ。

 


 

工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負っていません。でした。今は状況が変化してます。この問題を4章「黙示録」で考察してます。21世紀以降の急速なグローバル化(市場経済化&軍事化)は環境破壊と共に、この地にも押し寄せてます。