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量子物理学ノート:1
プロローグ
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上図出典:Newton 2011/9 p30-31 2022/11 p168 を参考に制作:白岩吉明
下図:無であるはずの真空から粒子がたえず生まれては消える量子論の「不確定性原理」によると、すべての素粒子を取り除いても、ほんの一瞬であればエネルギーが存在出来るといいます。そして、このエネルギーの「ゆらぎ」から、粒子と反粒子のペアが生じることがあります、この現象を「対称成」といいます。生成した粒子と反粒子は、すぐに衝突して消滅し2個の光子に変わります。「対消滅」と呼ばれる現象で、この理論はアメリカの「ファイマン」や「シュレディガー」日本の「朝永振一郎」らがつくりあげました。
上図出典:Newton 2022/11 p-163 白岩吉明アレンジ
下図:誕生1秒後には原子の材料がそろう 宇宙誕生から100万分の1秒後,宇宙は数兆゜Cという超高温だったと考えられています。 このとき電子や「クォーク」とよばれる素粒子,それらの反粒子は,バラバラの状態ではげしく飛びかい宇宙誕生から10万分の1秒後くらいになると,宇宙の温度は1兆゜Cほどに下がります。このとき宇宙の姿が大きくかわります。この温度で,水が氷にかわるように,クォークという状態から陽子,中性子という状態への相転移がおきます。その結果クォークが三つずつ結合して「陽子」と「中性子」がつくられるのです。陽子と中性子は,「原子核」の材料です。原子は,原子核と電子でできていますつまり,宇宙誕生から10万分の1秒後には原子の材料が出そろっていたのです。クォークの反粒子からつくられた反陽子や、反中性子はつくられてすぐに陽子や中性子と反応して、消えなくなってしまいます。一方で,電子の反粒子である陽電子は宇宙誕生後1秒後まで 生き残っています。陽子・中性子・電子・陽電子が飛びまわる宇宙。これが誕生から1秒後の宇宙のようすです陽電子が消えてなくなるのは,宇宙誕生から4秒後のことです。
上図出典:Newton2021/10 P54 p56 白岩吉明アレンジ
下図:対称滅・対生成・インフレーション宇宙 宇宙誕生のころには、その存在自体ゆらいでいた。ビレンキンの仮説によると究極の無の状態でも量子論な「ゆらぎ」が存在していたという。そしてそのゆらぎから、真空中で起こる対称性・対称滅のように、ごく小さな宇宙の「卵」が生成や消滅をくりかえしていたという。通説ではその中の1つが「インフレーション宇宙」をつくったと言う。
上図出典:Newton 2019/5 p45 p155 白岩吉明アレンジ
下図:国立天文台 宇宙の誕生初期に迫る 初期宇宙の銀河中心で明るく輝くクエーサーから、分子ガスが激しく 噴き出ている様子(想像図) アルマ望遠鏡を用いた観測で捉えられました。この噴き出る分子ガスの流れが、銀河の成長過程に大きな影響を与えている強い証拠となります。出典:click
下図:ビッグバンから現在までの宇宙進化のイメージ図。出典:click 右上のビッグバンから順に3 8万年後の宇宙背景放射のゆぎ (NASAのWMAP衛星による宇宙マイクロ波背景放射の画像、 数億年後に密度ゆらぎが成長する様子。
上図:初上図:期宇宙進化論 出典:click 東京大学大学院理学系研究科付属ビッグバン宇宙論国際研究センタ- 宇宙がどのように生まれ、どう進化してきたのか、このような根源的な問いに答えるべく、最新の理論と観測を用いて研究を進めるのが、このプロジェクトす。この十数年の間に観測が飛躍的に進み 宇宙に関するさまざまな事実が明らになってきました。とりわけ最も顕著な成果は宇宙マイクロ波背景放射や,大規模銀河サーベイによる宇宙大規模構造の観測などをもとに、 「宇宙の標準モデル」 が確立した点です。宇宙の標準モデルは、宇宙の構成要素から 宇宙膨張のダイナミクス、さら宙構造形成に至まで多くの観測事実を明解に説明します。標準モデルの確立により、あらたな問題点も明らかになっています。 中でも宇宙の全エネルギー密度のほぼ7割を占め、 現在の宇宙を加速膨張させている原因とされる 「暗黒エネルギー」の存在は、宇宙論のみならず素粒子物理学にとっても大きな謎です。基礎物理学の問題としても多大なインパクトを与えています。
上図:ATLASが陽子-鉛衝突でトップクォークを観測 出典:click 2023 年 9 月 6 ATLASコラボレーション CERNのATLAS共同研究は、陽子-鉛イオン衝突におけるトップクォーク対の生成を観測しています。 ATLASの新しい結果は、CMS Collaborationによる以前の観測を裏付け、それに基づいて構築し、それを新しい崩壊チャネルに拡張します。この結果は、物理学者がパートン分布関数を研究するための新しい道を開くものです - 陽子の運動量が、その構成するクォークとグルーオンの間でどのように分布しているかを、新しい運動学的領域で記述します。ビッグバンからほんの一瞬後、宇宙はクォークとグルーオンの高温で高密度なプラズマ(QGP)によって特徴付けられる状態で存在していました。この物質の状態は、重い原子核の衝突によってLHCで再現することができます。重イオン衝突で生成されたトップクォークは、QGPの性質を明らかにするための注目すべきツールとして役立つ可能性があります。トップクォークは標準模型の中で最も重い素粒子で質量は約172GeVです。それらは非常に重いため、プラズマ自体ではなく、プラズマの作成につながるハードスキャスタリングプロセスでのみ形成できます。物理学者は、鉛イオンとの陽子衝突におけるグルーオンの生成を研究することで、パートン分布関数(PDF)のグルーオン含有量を、重イオン衝突の核環境である固有の運動学的領域で制限し、参照陽子-陽子系との比較を可能にします。重イオン衝突で作られたトップクォークは、初期宇宙を支配していた高温で密度の高い状態であるクォーク・グルーオン・プラズマの特性を明らかにするための優れたツールとなる可能性があります。
下図出典:Newton 2019/5 p35 加速器により素粒子の謎にせる 環状に配置された1週3Kmの大型加速器の「SuperKEKB」、10兆分の1気圧の高真空中で陽子をほぼ光速に加速し原子核に衝突させ、素粒子の謎に迫ります。東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (KavliIPMU) は、高エネルギー加速器研究機構 (KEK) の日本最大の粒子加速器であるところのSuperKEKB (スーパケックビー) と Belle II 測定器を用い行われる高エネルギー物理学実験の BelleII 実験に参加しています。SuperKEKB プロジェクトとも呼ばれるこのプロジェクトでは加速器と測定器を併せ、加速器は KEKB 加速器から SuperKEKB 加速器へ、測定器は Belle 測定器から Belle II 測定器へといずれもアップグレードするための準備が進められてきました。
素粒子・原子核物理学とは 出典:click 小沢恭一郎 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 小沢研究室
下図出典:click宇宙の過去と未来を書き換える新たな研究により、宇宙の膨張を支配する宇宙論パラメータの精度を向上させることに成功しました。より正確な宇宙論パラメータによって、宇宙がどのように現在の状態に成長し、将来どのように進化するかという謎に迫ることができると期待されています。宇宙が膨張していることは十分に立証されています。しかし、宇宙の膨張速度を正確に測定することは困難です。そのため、天文学者は正確な測定のための信頼できる目印となる天体を探しています。どのような天体が信頼できる目印となり得るのでしょうか。たとえば、明るさが一定のろうそくは、ろうそくまでの距離が遠くなるにしたがって暗く見えます。同様に、天体も遠く離れるほど暗く見えます。天体のそのものの明るさが一定でそれを知っていれば、観測された明るさをもとに天体までの距離を計算することができるのです。このような距離測定を可能にする明るさが既知の天体を「標準光源」と呼んでいます。国立天文台のマリア・G・ダイノッティ助教らを中心とする国際研究チームは、超新星やクエーサー、ガンマ線バーストといった、標準光源となる天体のデータを解析するために、さまざまな新しい統計的手法を活用することで新たな研究分野を開拓しました。このデータ解析は、国立天文台 天文シミレーションプロジェクトが運用する中規模サーバを用い、国立天文台の岩崎一成(いわさき かずなり)助教の協力の下で行われました。距離が異なるいくつかの範囲では、それぞれ異なる標準光源を用いることが有効です。つまり、複数の標準光源を組み合わせることで、宇宙のより広い範囲に渡る天体のデータを使い、宇宙論パラメータを絞り込むこと成功しました。 |
下図 ヒッグス場イメージ図 出典:click 真空に満ちた「ヒッグス場」が激変し質量が生まれ,素粒子誕生のイメージ図。宇宙ではあらゆる誕生直後素粒子が、自然界を最高速度である光速で飛んでいたと考えられています。その後,宇宙が膨張して冷えていき,誕生後10“12秒後(1兆分の1秒後)ころになると,素粒子たちに質量が生まれました。素粒子たちが質量をもつのは,宇宙空間に満ちた「ヒッグス場」のおかげです。宇宙空間から物質や光をすべて取り除いてもなを、空間には ”何か” が満ちている事が、近年の素粒子物理学の研究によってわかってきまた。ヒッグス場もその一つです。 |
ヒッグス場とは?① ヒッグス場は、空間全体に広がった場であり、電場と同様に存在します。② 電場と異なるのは、何もない空間でもヒッグス場が存在することです。③ 真空中にヒッグス場は詰まっており、他の素粒子と相互作用します。④ 素粒子が真空中に置かれるとヒッグス場との相互作用によってエネルギーが生じこれが素粒子の質量として観測されます。ヒッグス粒子ヒッグス場の関係⑤ ヒッグス粒子はヒッグス場によって質量を与えられる粒子です。⑥ ヒッグス場は「バネ」のような役割を果たし、他の粒子に質量を与えるメカニズムを提供します。ヒッグス粒子は非常に大きな質量を持つため、真空にエネルギーを与えないとヒッグス粒子にはなりません。ヒッグス場は,空間に満ちており,粒子ごとにことなる強さの抵抗をあたえます。ヒッグス場から強い抵抗を受ける粒子ほど動きにくくなります。実はこの粒子の「動きにくさ」が「質量」の正体なのです。電子は比較的弱い抵抗しか受けないため,簡単に動けます。つまり,質量の小さな 素粒子だといえます。一方W粒子とよばれる素粒子は,強い抵抗を受けるので,非常に動きにくくなっています。そのため,W粒子の質量は電子の約16万倍にもなっているのです
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素粒子の「 超ひも理論」と「超対称性」 「超ひも理論」とは「超対称性を導入弦理論」の意味です。 超対称性とは、あらゆるフェルミ粒子にはボーズ粒子の、ボーズ粒子にはフェルミ粒子のパートナー(超対称性粒子)が存在すると言う考え方です
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素粒子の「 超ひも理論」と「超対称性」「超ひも理論」とは 「超対称性を導入 弦理論」の意味です。超対称性とは、あらゆるフェルミ粒子にはボーズ粒子の、ボーズ粒子にはフェルミ粒子のパートナー(超対称性粒子)が存在すると言う考え方です。 |
超ひも理論が「重力を扱える」この事実が超ひも理論を物理学の主役にした 出典:Newton2023年7月号 p54p67
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超ひも理論では、ひもの「分離」と「結合」がさまざまな力を伝える,ひもの分離と結合で、力を統一的に説明する。
出典:Newton 2023/7 p49 p44-45
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19世紀にマクスエルが完成させた「電磁気学」が20世紀に「量子力学」へ進化し、21世紀には「超ひも理論」へと進化した 出典:Newton 2023/7 p155,160, |
下図: 出典:click ヒッグス粒子の発見データを公開 CERN CERN 欧州原子核研究機構(CERN) は、スイスのジュネーヴ郊外でフランスとの国境地帯にまたがって位置する世界最大規模の素粒子物理学の研究所です。ヒッグス粒子の発見の鍵となった2つの崩壊チャネルのうちの1つである2つの光子に崩壊する候補ヒッグス粒子のCMSイベント表示。 (画像:CERN) 科学を全面的にオープンにするという継続的な取り組みの一環として、CMSの共同研究は2012年のヒッ グス粒子の発見に貢献したCMS測定の組み合わせを、電子形式で公開しました。このリリースは、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の最初の実行中に開発した,統計解析ツールであるCombineソフトウェアの公開と同時に行われ、それ以来、コラボレーション全体を通じて採用されています。
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RHIC Run 加速器 : ブルックヘブン国立研究所の加速器RHICは世界クラスの科学研究施設で、世界中の何百人もの物理学者が、宇宙が誕生してから最初の瞬間にどのように見えたかを研究しています。出典:Newton2023/2 p106
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素粒子物理学 物質の根源を追求する 宇宙の誕生直後の状況ヒッグス粒子の性質を詳しく知ることで、物理学における大きな未解決問題の解決につながる可能性がある ヒッグス粒子の性質に関する詳細な洞察は、物理学における大きな未解決の疑問に答えるのに役立つ可能性があります。出典:1:click 出典:2:click
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下図:時間と空間はのびちじみする「相対性理論」 重力は「時空の曲がり」を生み出す。現代物理学において 「電磁気力・強い力・弱い力」は素粒子の受け渡しで説明されます、この理論は「素粒子の標準理論」と呼ばれます。 しかし 「自然界を支配する4つの力の内、 重力だけは {一般相対性理論}という別の理論で説明され、この理論では重力は、{時空の曲がり}により生じます。現代では素粒子論の「超ひも理論」の「重力子」の理論が加わりました。下図イラストは其の概念図です。太陽は周囲に空間を曲げており地球はその影響を受けて空間の中を進むため自然と軌道が曲がり、太陽の周りを公転する訳です。出典:Newton 2022/11 p049 |
下図:重力レンズでは、宇宙空間にある巨大な物体が光学レンズの代わりを務めます。銀河、ブラックホール、星団など。 |
下図: 出典:click 宇宙の始まりの頃の様子を重力波を使って明らかに、早稲田大学高等研究 藤田 智弘 講師 最新の研究では、宇宙は素粒子の生成と消滅が繰り返される「物理的にゆらぎのある状態」から、加速膨張が起きてエネルギー保存則が破れ、素粒子が次々に生まれて始まったという「インフレーション理論」が有力です。インフレーションが起きた後は、宇宙はホットビッグバンという高温・高密度の火の玉状になりますが、次第に温度が下がっていき、やがて重力で粒子が引き合うようになり、星や銀河などを形成。そして、現在の宇宙の姿になったと考えられています。 |
下図: 出典:click NASAブラックホールの歪んだ世界を映像化 出典:アメリカ大使館公式マガジンブラックホールに一番近い場所では、 重力による光の歪曲度が大きくなるため、円盤の下側にブラックホールの輪郭をかたどっているように見える明るい光のリングを見ることができます。いわゆる「光子リング」 と呼ばれるもので、 私たちの目に届く前にブラックホールを幾度も周回する光が 構成する複数のリングから成ります。 リングは内側に向かって次第に細く、そして放つ光は弱くなります。 この映像イ匕されたブラックホールは球体のため、光子リングはどの角度から見てもほぼ円形で同じ形に見えます。光子リングの中にあるのが、ブラックホールの「影」です。この影は ブラックホールの「事象の地平面」(いわゆる「引き返し不可能地点」)のおよそ2倍の領域を持ちます。 |
工業製品に埋もれた消費社会とは距離を置いた、内陸アジアの自然と人間を紹介いたします。此処には、私たちの美意識の源泉・文化の源泉が数多く現存し、自分が知らない事に驚きます。此処には有史以前から今も変わらない人跡未踏の雪山や氷河、0m地帯の広大な砂漠や標高5000mの草原、アジアの大河の源、幾百千年来の隠れ里等など、枚挙に暇の無い非日常が今も生きています。大地と太陽・水と植物・自然の恵みを友に、人口エネルギー消費ゼロで暮らす人々も沢山います。この地域の総面積は日本の国土の20数倍・北米の面積にも相当し、此の地の地下資源を世界は注視してます。近い将来の「地下資源&エネルギー」枯渇時に、工業生産國は衰退・崩壊する「現代文明の病理」を背負ってますが、内陸アジアは背負っていません。でした。今は状況が変化してます。この問題を4章「黙示録」で考察してます。21世紀以降の急速なグローバル化(市場経済化&軍事化)は環境破壊と共に、この地にも押し寄せてます。